この記事で分かること
- 指導経験者に育て方を学んだことがない人もいる
- 管理職は部下の意欲を高めることに難しさを回答
- 弱みを伝えた上司のうち目的も添えた人は3割
部下や後輩を教える役は、教え方を学ぶ場がないまま任されていることがあります。指導経験のある会社員100人に聞いた調査では、43.0%が育て方を特に学んだことはないと答えました。教える人と管理職がどこで迷い、会社が何を用意すれば教えやすくなるかを、10月17日から11月3日に発表された3件の調査から整理します。
いずれも民間企業が対象を限って実施し、本人の回答を集めた調査で、日本の会社や管理職全体を表すものではありません。
1.NEXER Group・ガイアシステム:教え方を学んだ場を尋ねると「特になし」が43.0%
NEXER Groupと、人材育成・企業研修を手がけるガイアシステムは、部下・後輩の指導や育成に関わった経験のある全国の会社員100人に尋ねました。調査期間は2026年10月7日から14日です。両社による調査発表
育成・指導の方法をどう学んだかを複数回答で聞くと、「特に学んだことはない」は43.0%、「上司や先輩から教わった」は38.0%、「社内の研修で学んだ」は24.0%でした。何をもって「学んだ」と考えるかは人によって違い、指導の質を測った数字ではありません。教える役を任せる時に、会社として教え方を学ぶ場を用意しているかが問われる数字です。すでに教えている人にも、どこで学んだかを聞いておきます。
新しく後輩を教える人には、上司が最初の1回だけ横について、仕事の手順を説明する順番と、相手に伝わったかの確かめ方を一緒に見ます。
2.シーベース:管理職が難しいと答えた最多は「部下のモチベーションを高める」
シーベースは、360度フィードバックを導入した企業の従業員751人に、2026年8月に調査しました。ここでは751人のうち管理職の回答を紹介します。シーベースの調査発表
日頃のマネジメントで比較的うまくいっていることの最多は「部下との日常的なコミュニケーション」の31.7%、課題や難しさを感じることの最多は「部下のモチベーションを高める」の26.4%でした。二つは別々の複数回答の設問で、多面評価を導入している企業に限った結果です。どちらも管理職本人の回答で、部下の側の受け止めとは別です。集団として見ると、うまくいっていることの最多は会話、難しいことの最多は意欲を支える関わり方で、二つは別の項目として挙がっています。
管理職研修の前に、研修を受け持つ人(人事を兼ねる総務や社長でもかまいません)が、管理職に最近の部下との面談を1回振り返ってもらいます。話しやすかった話題と、どう関わればよいか迷った場面を、聞き取りの紙に分けて書いてもらいます。
3.キャリ・ソフィア:弱みを伝えた上司のうち、目的も添えた人は3割
株式会社キャリ・ソフィア「上司のヴァルネラビリティ調査2026」は、部下を指導・育成する立場の上司200人に、2026年9月15日に実施されました。キャリ・ソフィアの調査結果
具体的な弱みを部下に伝えた148人のうち、達成したい目的や目標も添えた上司は46人(31.1%)でした。目的を添えた46人の58.7%、添えなかった102人の13.7%が、部下から率直な意見が出るようになったと回答しました。これは上司が感じた変化で、伝え方と変化の因果関係を示すものではありません。
上司が判断に迷う仕事を部下に相談する時は、迷いだけを渡さず、何を決めたいのかまで伝えることを勧めます。
繁忙期に誰へ応援を頼むかのような、上司が判断に迷う仕事が出た時は、決めたいことと、分かっていること・分からないことを整理してから部下に意見を求めます。判断の責任は上司が持ちます。迷いを話すことを全員の上司に求めはしません。上司自身が部下以外にも相談できる相手を持てているかも、会社として見ておきます。
会社で確かめておきたいこと
- 部下や後輩を教える人は、育て方をどこで学び、今どんな場面に困っていますか? 相談や練習の機会はありますか?
- 管理職は普段の会話と、部下の意欲を支える関わりをそれぞれどう感じていますか?
- 上司が判断に迷う仕事について、何を決めたいかを添えて部下に相談していますか?
教える人が困っている場面から、学ぶ機会と相談の仕方を考えてみてください。部下や後輩の育成で困っていることを伺い、どこから取り組むか、研修で何を扱うかの見立てをお返しします。オンラインで受け付けます。
出典
支える主張指導・育成経験のある会社員100人への調査で、43.0%が育成・指導の方法を特に学んだことはないと回答。
部下・後輩の指導・育成に関するアンケート支える主張多面評価導入企業の従業員751人の調査。日常会話の手応えと部下の意欲を高める難しさを別の複数回答設問で尋ねた。
管理職・次世代リーダー育成実態調査2026 第2弾支える主張上司200人の調査。弱みを伝えた148人のうち目的や目標を添えた46人の58.7%、添えなかった102人の13.7%が、部下から率直な意見が出るようになったと回答(上司本人が感じた変化)。
上司のヴァルネラビリティ調査2026支える主張共同調査者。調査発表で出典の表記として求められたリンク。
株式会社ガイアシステム支える主張相談先。調査の根拠資料ではない。
株式会社Mario Rossi 研修



