この記事で分かること
- AIの出力の確認・修正を負担と感じる人がいる
- 管理職と一般社員のAI利用頻度の差
- AI活用で管理職が方針提示を重視
業務でAIを毎日か週に数回使う人は、管理職で62.0%、一般社員で32.2%でした。AIを使う社員の側では、出力を確かめて直す作業が負担として挙がっています。上司が見ているAIの使い方と、社員が抱えている負担は、同じとは限りません。
2026年10月17日から11月3日までに発表された国内の民間調査4件から、上司と社員が同じ仕事を前に何を話しておくかを考えます。いずれも回答者を限ったインターネット調査で、本人の回答に基づき、日本の職場全体を表すものではありません。
1.サーバーワークス:AIの出力を判断・確認・修正する負担
サーバーワークスは、勤務先にAIツールが導入されている会社員269人を対象に、2026年8月21〜22日に調査しました。業務でのAI利用に疲れや負担を感じることが「よくある」「たまにある」と答えた人は合わせて72.5%でした。サーバーワークスの調査発表
疲れや負担を感じると答えた195人に場面を尋ねると、36.4%がAIの出力を判断・確認・修正することを挙げました。AIに作業を任せるなら、出力の点検も仕事の一部として、誰がどこまで受け持つかを決めておく必要があります。
点検を一人に寄せないために、社員と上司がAIで作った報告書を1本一緒に見て、数字を原資料と照らす場所と、判断に迷った時の相談先を先に決めておきます。
2.Helpfeel:管理職と一般社員でAIの利用頻度に差
Helpfeelは2026年9月1日、全国の20代から60代以上のビジネスパーソン601人に調査しました。業務でAIを「毎日」または「週に数回」使うと答えたのは、管理職200人の62.0%、一般社員401人の32.2%でした。Helpfeelの調査発表
回答者は管理職200人と一般社員401人で、全体の利用率として読む数字ではありません。それでも集団として倍ほどの差があるなら、よく使う上司の手応えだけを基準に研修を組むと、社員の出発点とずれるおそれがあります。
研修の内容は、使う機会が少ない社員の側から決めます。調査は差の理由までは測っていません。会社がどの仕事で使ってよいかを決めているかどうかも関わりうるので、本人の意欲だけで説明しないようにします。
3.ALL DIFFERENT:部下の利用状況を管理職に尋ねると
ALL DIFFERENTとラーニングイノベーション総合研究所は、2026年8月19日〜9月2日、課長クラス以上の管理職614人に部下のAI活用について調査しました。部下がAIを「ほとんど使用していない」と答えた管理職は40.3%でした。ラーニングイノベーション総合研究所「管理職意識調査2026(部下のAI活用編)」
これは部下本人ではなく、管理職から見た利用状況です。職場での使い方を知るには、上司の認識と社員本人の話を聞くことが出発点になります。
上司は次の面談で、日々の報告書作成でAIを使っているか、使うならどこで困るかを社員本人に尋ねます。使っていない場合は、その仕事で使ってよいと決まっているか、使わずに進める方がよい仕事かも一緒に確かめます。
4.アクシスコンサルティング:管理職自身が感じる役割の変化
アクシスコンサルティングは2026年9月18〜19日、部下を持つ課長級以上の20〜60代を対象に調査し、639人の有効回答を得ました。そのうち、チームでAIを活用している、または活用を検討・試行している437人に自身の役割の変化を聞くと、「大きく変化した」「ある程度変化した」は合わせて57.2%でした。アクシスコンサルティング株式会社調べ
同じ調査で、AIの活用によって以前より重要性が高まった仕事を管理職に尋ねると、「方針・ビジョンの提示」が34.8%で最多、「部下との対話・1on1」が29.5%で続きました。AIを使うようになって、方針を言葉にして伝え、部下と話す仕事が以前より重要になった、と管理職自身が答えています。
管理職研修では、管理職が受け持つ仕事を1つ題材にし、AIに任せる作業と、社員へ伝えるべき方針とその理由を分けて書き出します。書き出した方針は、研修の後に部下と話す時の材料にします。
会社で確かめておきたいこと
まず報告書などの仕事を1つ選び、上司と社員で次のことを話してみてください。
- AIの出力のどこを確認し、迷った時は誰に相談しますか? 負担は誰か一人に偏っていませんか?
- 上司と社員は、それぞれその仕事でAIを使っていますか? 使わない場合に気になることはありますか?
- その仕事で、AIに任せる作業と、上司が社員に伝える方針を分けて考えていますか? どの部分でAIを使ってよいかは決めていますか?
答えに迷ったところを、研修で扱う場面の候補にします。
職場でAIを使う仕事や育成の悩みを伺い、どこから取り組むか、研修で何を扱うかの見立てをお返しします。オンラインで受け付けます。
出典
支える主張AI導入済み企業の会社員269人の調査。疲れや負担を感じる195人の36.4%が出力の判断・確認・修正を負担の場面に挙げた。
AI導入済み企業の現状と従業員の意識に関する調査支える主張ビジネスパーソン601人の調査で、AIを毎日または週数回使う回答は管理職200人の62.0%、一般社員401人の32.2%。
AIに置き換わる業務についての意識調査支える主張課長級以上614人への調査で、部下がAIをほとんど使用していないと答えた管理職は40.3%。
管理職意識調査2026(部下のAI活用編)支える主張有効回答639人のうちチームでAIを活用している、または活用を検討・試行している437人の57.2%が自身の役割が変化したと回答。
AI時代の管理職・マネジメントに関する実態調査支える主張相談先。調査の根拠資料ではない。
株式会社Mario Rossi 研修



