この記事で分かること
- 当日に使う資料と配属後に見返す資料の分け方
- 勤怠の申請を題材にした目次の記入例
- 資料を更新する人と置き場所の決め方
新入社員研修の資料を作り始めたものの、講師が話す内容と、配属後の仕事で必要な手順を同じスライドに詰め込むべきか迷います。説明の順に並べた資料は、仕事中に必要な箇所を探す場面では使いにくいこともあります。
研修当日に講師が進行するための資料と、配属後に本人が見返す資料を分けて作ります。目次の記入例を使い、ページに入れる量、更新する人、置き場所まで決める方法を紹介します。
新入社員研修資料の役割
当日用は、講師が説明し、問いかけ、演習を進めるための資料です。話す順序や例題、受講者への指示が分かる形にします。画面に映すスライドに加えて、講師が手元で見る進行メモを用意しても構いません。
配属後の参照用は、本人が仕事の途中で必要な情報へ戻るための資料です。仕事の名前や迷う場面から探せる目次を付け、手順の要点、相談先、詳しい規程の場所を示します。講師の説明がなくても次の行動を選べるように書きます。
研修で扱う内容や配属先の仕事に応じて、当日用から参照用へ残す項目を選びます。研修に使った資料をすべて転記するのではなく、後で使う情報を選び直します。
使う場面を分けて作る理由
当日は講師が言葉で補足できますが、配属後は本人が必要な情報を探します。説明の順だけで並べると、目的の項目がどこにあるか分かりにくくなります。一方、参照用の細かな規程や例外をすべて投影すると、講師がその場で伝えたい要点を追いにくくなります。
資料を分けると、同じ題材でも当日は考えるための問いを置き、参照用には仕事でたどる手順を残せます。会社の規程そのものは、社員がいつでも見られる正式な保管先を示し、要約を更新するときは規程と食い違っていないか担当者が見ます。資料で場所を案内することは、就業規則をいつでも見られる状態にしておくことの代わりにはなりません。
作る順序
- 研修で扱う仕事を並べ、当日に説明や演習をする項目を選びます。
- その中から、配属後に本人が調べ直す項目を選び、仕事の場面ごとにまとめます。
- 当日用と参照用の目次をそれぞれ作り、各ページに載せる内容を決めます。
- 記載内容を更新する人と、本人が最新版を見る場所を決めます。
- 講師が当日用で進行できるか、配属先の担当者が参照用から必要な項目を探せるかを試します。
目次の記入例
次は、勤怠の申請を題材にした架空の記入例です。当日用には研修で進める順を、参照用には仕事の途中で探す順を置いています。申請方法や相談先は自社の規程に合わせます。打刻を忘れた時の修正は、本人の申請だけに頼らず、担当者が実際の勤務と照らして記録を直します。年次有給休暇は本人が時季を指定して取るもので、上司の承認を取得の条件にはしません。
| 目次の項目 | 当日用:講師が扱う内容 | 配属後の参照用:本人が見返す内容 | 更新する人 | 置き場所 |
|---|---|---|---|---|
| 勤怠を記録する | 打刻を忘れたらどうするか考える問い | 打刻の操作と修正の申請先、正式な勤怠規程の置き場所 | 勤怠担当 | 新入社員が閲覧できる共有フォルダの「勤怠」 |
| 休暇を申請する | 休暇を取るとき、誰に何を伝えるか考える問い | 申請画面の開き方、入力項目、申請先と正式な就業規則の置き場所 | 勤怠担当 | 同じ「勤怠」フォルダの参照用資料 |
| 申請に迷ったとき | 申請内容に迷い、上司も不在の場面で相談先を考える問い | 相談先と不在時の連絡先、正式な社内名簿の置き場所 | 勤怠担当の責任者 | 同じ参照用資料。連絡先は社内名簿へリンク |
当日用の目次は「記録する→休暇を申請する→迷ったとき」と研修の進行に沿って並べます。講師のメモには、各項目で受講者に何を尋ね、どこまで説明するかを書きます。投影する画面と講師用メモを分ける場合も、目次の項目名をそろえると行き来しやすくなります。
参照用の目次は「打刻」「休暇の申請」「相談先」と、仕事中に探す言葉で並べます。目次から該当ページに移れるよう、電子文書ならリンク、紙ならページ番号を付けます。規程や連絡先は正式な掲載先へ案内し、紙で配る場合も、新入社員が自分で最新版を開ける場所と開き方を書きます。
目次からページを起こす
「休暇を申請する」の当日用には、たとえば「休暇を取るとき、誰に何を伝えますか」と問いを書きます。講師のメモには架空の場面と、話し合いの後に示す自社の申請先・必要な情報を記します。
対応する参照用には、申請画面を開く、必要な項目を入力する、申請先へ送るという手順と、正式な就業規則の置き場所を並べます。実際の画面と手順は会社ごとに異なるため、勤怠担当が自社の運用に沿って書き、社員の閲覧権限でリンクを試します。
1枚に入れる量を決める
当日用のスライドは、1枚につき講師が伝える要点か、受講者に考えてもらう問いを1つ置きます。たとえば「休暇を取るとき、誰に何を伝えるか」という問いと、演習の指示を同じ画面に置き、答えの説明は次の画面に分けます。話す内容をすべて書くのではなく、画面を見ている人が今取り組むことを見失わない量に整えます。
参照用も、1ページに1つの仕事や迷う場面を置くと探しやすくなります。「休暇の申請」のページなら、申請画面、入力項目、分からない場合の相談先を載せます。長い手順や例外を詰め込んで文字が小さくなる場合は、通常の手順と例外を別ページに分け、互いのページへ案内します。
一例として、既存の規程と手順がそろっている場合、10項目の資料一式には合計12時間30分を見込みます(目次作成30分、各項目の当日用と参照用の作成に計10時間、試用と修正に2時間)。部門長が取りまとめ役と内容担当者の通常業務を調整して、この時間を空けます。進め方は、最初の30分で目次を作り、次の60分で当日用の1項目と対応する参照用の1ページを作って、講師と配属先の担当者に必要な情報を探せるかを試してから残りに広げます。時間は内容や資料の状態に応じて見直します。
更新する人と置き場所を決める
研修全体を取りまとめる人は、当日用の順序と参照用の目次を持ちます。各業務の担当者は、自分の担当する手順や連絡先が変わったときに参照用を直し、講師へ変更を知らせます。部門長は、担当者が更新に使う時間を業務の予定に入れ、担当の交代時には更新の仕事も引き継ぎます。人事担当者がいない会社では、社長が取りまとめ役を決め、業務の内容は各担当者に預けます。
各資料の冒頭には、資料名、内容の担当者、更新日、質問先を書きます。更新のきっかけは、規程や仕事の進め方が変わったとき、または参照用の記述に不足が見つかったときです。更新担当者は正式な情報を見て該当箇所を直し、関係する講師と配属先に変更を伝えます。当日用に同じ内容がある場合は、その箇所も合わせて直します。
置き場所は、本人が配属後も利用でき、最新版が分かる共有フォルダや社内文書のページを選びます。参照用の入口は新入社員へ渡し、閲覧権限を付けます。編集できる人は更新担当者に絞り、古い資料に「最新版はこちら」と案内を付ければ、保存された過去の写しからも正しい場所にたどり着けます。紙の場合は、配布した版の日付を残し、内容を変更したときの差し替え方法を決めます。
資料を渡す前に試すこと
試作を読む人には、説明を受けずに「休暇の申請に迷ったら誰に相談するか」を資料から探してもらいます。見つからなければ、目次の言葉やページへの案内を直します。答えが見つかっても、連絡先が古い場合は仕事に使えないため、勤怠担当の責任者が正式な名簿の内容と照らします。講師用については、表示する順に画面を送り、問いと答えが意図した順番になっているかを見ます。
資料の完成後も、講師が研修で受けた質問を取りまとめ役へ渡します。参照用に答えがあるのに見つからなかったのか、情報自体が足りなかったのかを分けると、目次を直すのか内容を足すのか決められます。担当者は、実際の仕事の流れに照らして資料を見直します。
資料を使うときの注意点
実際の仕事を例題にする際は、顧客や社員を特定できる情報を載せず、共通の架空の題材を用意します。参照用を開けない人には紙を渡すなど、必要な情報にたどり着ける方法を用意します。資料を渡した後の質問は、本人の評価と結び付けず、資料の不足を直す材料として扱います。
研修資料の周辺は、教える手順と実施記録をまとめる入社時教育マニュアル、入社前後に渡す案内を整理するオンボーディング資料、準備時間や練習を扱う社内講師の育て方を参照してください。
まとめ
新入社員研修資料は、当日に講師が説明と演習を進める資料と、配属後に本人が仕事の途中で見返す資料に分けます。同じ題材でも、前者は研修の進行順、後者は仕事の場面から探せる順に並べます。
目次を作ったら、当日用と参照用を1項目ずつ試作し、必要な情報にたどり着けるかを見ます。資料を作って終わりにせず、更新する人と最新版の置き場所を決めて運用しましょう。
新入社員研修で扱う仕事と、配属後に見返したい資料を伺い、どの資料から作るか、研修で何を扱うかの見立てをお返しします。お問い合わせはオンラインで受け付けます。
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