この記事で分かること

  • 入社前から必要な資料と渡す時期の整理方法
  • 資料の所在・更新担当を記す台帳の例
  • 配属先に手順書がない場合の準備

入社する人に送る案内を集めたところ、勤怠の説明は共有フォルダにあり、配属先の仕事は口頭で伝えていた。どれをいつ渡し、足りないものを誰が作るか。まず、資料台帳を1枚作って整理します。

社員向けの資料を準備する際に、入社前から1か月まで何を渡すか。資料台帳の記入例を使って、資料をそろえる手順を見ていきます。

オンボーディング資料と資料台帳の役割

オンボーディング資料は、入社する人が手続きや仕事に必要な情報を探し、行動するための案内です。初日の集合場所、勤怠の操作、仕事の手順、質問先を、必要になる時期に渡します。

資料台帳は、受け入れ側が資料の所在、渡す時期、更新する人を管理する表です。新しく作る管理表はこの1枚にまとめ、入社者には台帳に記した各資料を渡します。初日案内は1枚に収め、後から使う手順は個別の原本を参照できる形にします。

なぜ資料の時期と所在を整理するのか

初日に必要な集合場所と、後から使う休暇の申請方法では、必要になる時期が違います。資料台帳に時期と質問先を書けば、受け入れ側は渡し忘れを防ぎ、入社者も必要なときに参照先を探せます。

労働政策研究・研修機構の2024年の企業調査では、従業員30〜99人の回答企業1,291社のうち、日常業務で従業員に仕事を覚えてもらう取り組みとして、業務に関するマニュアルを配布している企業は31.2%でした(複数回答)。手順書が配布されているとは限らないため、資料台帳を作る際は、渡す時期を決める前に配属先へ手順書の有無と所在を聞き、ない仕事には作成担当を置きます。

資料台帳を作る手順

  1. 入社前から1か月までに必要な手続きと、初めに任せる仕事を並べます。
  2. 人事を兼務する担当者が共通資料の所在を集め、部門長が配属先の資料を選びます。社長は受け入れの方針と準備時間を決めます。
  3. 資料台帳に渡す時期と内容、原本の保存場所、更新担当と質問先を記します。原本がない項目は作成する人と期限を記します。
  4. 指導役が業務の説明を担当し、配布前に別の担当者がリンクと閲覧権限を点検します。部門長は通常業務の担当や予定を調整し、指導役が準備と説明に使う時間を確保します。

準備時間は、既存資料を集める作業に1時間、資料台帳の作成に1時間、点検に30分を取る形が一例です。

資料台帳の記入例

次の表は営業職が見積りを作成する場合を想定しています。各欄には会社が渡す資料と時期、その原本の保存場所、更新する人を書きます。実際の台帳には原本のリンク、更新日、作成期限も記します。

資料・項目 会社が渡す時期・内容 原本の保存場所 更新担当/質問先
初日案内 入社前に集合場所・持ち物を案内する 共有フォルダ/初日案内 人事兼務者
提出書類 入社前に必要書類と提出先・期限を案内し、初日から1週目に受付状況を知らせる 共有フォルダ/提出書類案内 人事兼務者
パソコン・アカウント 入社前に準備と受け取り方法を案内し、初日に端末とログイン方法を渡す。1週目に必要な権限の相談先を伝える 共有フォルダ/端末・アカウント案内 情報システム担当
組織図・質問先 入社前に配属先と連絡先を知らせ、初日に勤怠と業務の質問先を伝える。1週目に関係部署を案内する 共有フォルダ/組織図 人事兼務者/業務は指導役
勤怠・休暇 初日に打刻方法を一緒に試し、1週目に申請方法と申請先を案内する。1か月以降も参照先を示す 共有フォルダ/勤怠制度・操作案内 人事兼務者
業務手順 初日に指導役と連絡先を伝え、1週目に見積り作成を指導役と1件扱う。1か月時点で手順の疑問を聞く 共有フォルダ/見積り作成手順書 部門長が指定する指導役
安全衛生 初日に避難経路と緊急連絡先を伝えて教育し、1週目に担当業務の注意事項を案内する。1か月以降も参照先を示す 共有フォルダ/安全衛生資料 安全衛生を担当する人

教育内容を時期ごとに選ぶ方法は、入社時教育の内容の選び方で扱います。

配属先に手順書がないとき

見積り作成など最初に任せる仕事を1つ選び、指導役が1件扱うのを見ながら、順序、使う画面、迷ったときの相談先を箇条書きにします。一例として、30分で10行程度にまとめます。指導役が内容を読み、実際の操作に沿って修正してから資料台帳に原本を載せます。

配る前と入社後に気をつけること

雇い入れ時の安全衛生教育は業種にかかわらず必要で、教育内容は業務によって変わります(労働安全衛生法第59条第1項)。安全衛生を担当する人が、担当業務に必要な教育内容と実施方法を定めます。

入社者が必要な資料を開けるかを配布前に試し、個人情報や閲覧範囲が限られた情報は配布先に応じて扱います。入社後に分かりにくい箇所やリンク切れが見つかったら、資料台帳に記した更新担当へ伝え、原本を直します。

まとめ

オンボーディング資料は、必要な場面を整理し、既存の原本と担当者を確かめてから作ります。初日に必要な案内と後から使う手順を分け、資料を渡した後の説明や操作確認、更新まで受け入れの予定に入れましょう。

入社後に任せたい仕事や、受け入れの準備についてのご相談は、お問い合わせからオンラインで受け付けます。任せたい仕事を伺い、進め方の見立てをお返しします。

出典

  1. 支える主張2024年企業調査、6ページ図表1-5、30〜99人規模の回答企業1,291社のうち業務マニュアルを配布する割合

    人材育成と能力開発の現状と課題に関する調査労働政策研究・研修機構・参照 2026-11-03
  2. 支える主張第59条第1項の雇入れ時の安全衛生教育

    労働安全衛生法第59条厚生労働省・参照 2026-11-03
  3. 支える主張L4:入社時教育・育成支援の参照先。資料台帳整備の対応可否・範囲は相談時に確認

    入社時教育・育成支援株式会社Mario Rossi・参照 2026-10-25
  4. 支える主張L5:既存記事と同じ相談の遷移先

    お問い合わせ株式会社Mario Rossi・参照 2026-10-25