この記事で分かること

  • 受け入れに必要な作業と外部への依頼範囲の分け方
  • 研修・資料作成など支援の種類と条件の比較
  • 候補先に伝える仕事・費用・期限の整理

複数の支援会社から案内を取り寄せても、研修、資料作成、システムのどれが自社に必要か迷うことがあります。受け入れに必要な作業を並べ、候補先へ同じ条件を伝えると比べやすくなります。

オンボーディング支援とは

オンボーディングは、入社した人が仕事の進め方や相談先を知り、自分の役割を果たせるようになるまでを支える取り組みです。外部には、共通知識の研修、教材づくり、ツールの導入、受け入れ計画の設計や運用の補助などを頼めます。

なぜ依頼範囲を決めるのか

研修の実施だけでは自社の業務手順は伝わらず、ツールを導入しても掲載する内容を決める人が必要です。候補先ごとに作業範囲は違うため、見積もりの前に受け取るものと社内の担当を明らかにします。

厚生労働省の2025年度「能力開発基本調査」では、能力開発・人材育成に何らかの問題がある事業所のうち、10.0%が「人材育成の方法がわからない」と回答しました(複数回答)。調査対象は常用労働者30人以上の事業所です。育成の方法が分からない場合は、研修の実施だけを頼むのか、受け入れの計画づくりから頼むのかで依頼範囲が変わります。候補先に困っている場面を伝え、計画づくりまで頼めるか尋ねます。

支援を選ぶ進め方

  1. 入社前の案内、初日の説明、配属後の指導を並べ、すでにある資料と担当者を書き出します。
  2. 下の表で、資料の状態、年間の入社人数、部門数に合う支援を探します。
  3. 候補先に同じ対象人数、作業範囲、希望日を伝え、成果物と費用を比べます。

支援の種類と頼む条件の比較

表と以下の人数・時間・期間は検討する際の一例です。

支援の種類 頼むかどうかの条件 外部に頼む作業 社内の担当 受け取るもの・見る点
研修 年2人までの入社があり、共通の基礎知識をまとめて学ぶ機会が必要 研修と演習の進行 社長が費用を決め、部門長が実務で使う機会を用意する 教材と実施記録。自社の仕事につながる内容か
教材・案内の整備 説明資料はあるが、複数の場所に散らばっている 既存資料の整理と案内の作成 部門長が内容を決め、指導役が実務に合うか読む 編集可能な案内。必要な情報が探せるか
ツール 年3回以上の入社があり、同じ案内と進み具合を複数人で共有する 案内の掲載や進捗記録の仕組みを設定する 兼務の担当者が掲載内容を集め、利用者を案内する 設定内容と管理方法。担当者が更新できるか
設計・運用支援 複数の部門で受け入れ、資料や指導の進め方が部門ごとに異なる 受け入れ計画と担当表を作り、日程調整を補助する 部門長が各部署で任せる仕事を決め、指導役が日々の質問を受ける 計画と担当表。各部門の準備と時期が分かるか

資料がまだない場合は、指導役が普段使う手順や質問先を聞き取り、案内の作成を依頼できます。一部門で少人数を迎え、共有文書で案内できるなら、ツールを導入せずに始める選択肢もあります。複数の支援を組み合わせるときは、同じ作業が見積もりに重複していないかを見ます。

社内の時間と費用、使い始めるまでの期間

外部に依頼しても、社内で内容を決める時間は残ります。たとえば資料整理を頼む場合、部門長が資料を読む1時間と指導役との打ち合わせ1時間を合わせ、社内側で計2時間を予定します。外部側の整理作業は別に見積もってもらいます。社内の2時間を取れない場合は、依頼範囲や開始時期を調整します。

費用を比べるときは、研修の実施時間、対象人数と実施回数、資料作成や打ち合わせの時間をそろえます。ツールは初期設定と利用期間ごとの費用、人数変更時の扱いも尋ねます。金額は依頼内容によって変わるため、同じ条件で各候補先に見積もりを求めます。

資料整理と計画づくりなら、依頼後の1週目に資料を渡して打ち合わせ、2週目に案を受け取り、3週目に社内で読み直して使い始める進め方が考えられます。入社日から逆算し、候補先に作業期間を尋ねます。

候補先に伝える条件

比較する項目 候補先に伝える条件・尋ねること
対象と範囲 入社する2人向け。既存の案内を整理し、入社前から3か月までの計画を作る。現場での指導は社内が担う
成果物と社内の作業 編集可能な案内と計画表を受け取る。部門長が業務内容を読み、修正点を伝える
費用と変更 作業時間、対象人数、打ち合わせ回数を伝え、追加費用や日程変更時の扱いを尋ねる
開始までの期間 3週間後に使い始めたいことを伝え、資料提出から案の修正までの日程を尋ねる

実施中と終了時の注意点

面談を受けるかどうかは本人が選びます。本人に面談の目的と話した内容の共有範囲を伝え、その内容は評価に使いません。勤務条件や業務量の判断が必要な相談は社内の責任者につなぎます。

実施中は、兼務の担当者が予定した作業と受け取った資料を照らし、変更があれば追加作業や費用を候補先と整理します。部門長は、本人が実務で説明を使う機会を持てているかを見ます。研修への出席や資料の納品だけで、仕事の習得を判断しません。

終了時は資料の原本を実際に開き、編集・配布・再利用の範囲、データの取り出し方、終了後に質問できる期間と連絡先を合意した条件と照らします。未解決の質問と今後直したい手順には社内の担当を付けます。

まとめ

オンボーディング支援を選ぶ際は、入社する人に必要な説明や実務の機会を整理し、外部に頼む仕事と社内が判断する仕事を分けます。そのうえで、同じ条件を候補先に伝え、成果物、社内の時間、費用の条件、終了後の引継ぎを比べます。

受け入れの進め方を検討する際は、入社時教育・育成支援もご覧ください。任せたい仕事を伺い、受け入れの進め方について見立てをお返しします。お問い合わせはオンラインで受け付けます。

出典

  1. 支える主張人材育成に問題がある事業所のうち、方法がわからないとする割合

    令和7年度能力開発基本調査 調査結果の概要厚生労働省・参照 2026-11-03
  2. 支える主張支援の案内先

    入社時教育・育成支援株式会社Mario Rossi・参照 2026-10-25
  3. 支える主張相談の案内先

    お問い合わせ株式会社Mario Rossi・参照 2026-10-25