この記事で分かること

  • 仕事で試したことと試せなかったことの持ち寄り方
  • 接客・製造・営業の記入例と90分の進行例
  • 本人が試すことと上司や会社が判断することの分け方

研修から2か月後に受講者をもう一度集める予定を立てたものの、何を話してもらえば次の仕事につながるのか迷うことがあります。前回の内容を説明し直すだけでは、職場で試したことや、途中で止まったことを扱えません。

フォローアップ研修では、受講者が持ち寄る仕事の場面を先に決め、当日はその場面を整理して次の仕事を選びます。人事や経営者が準備するもの、進行の例、上司への引き継ぎ方を順に紹介します。

フォローアップ研修の目的と扱う範囲

フォローアップ研修は、最初の研修の後に受講者が集まり、学んだことを職場でどう使ったかを持ち寄る回です。試して分かったことを共有し、うまく進まなかった仕事については、次に変えることや職場で相談する相手を決めます。

この回で扱うのは、受講者が実際に出会った仕事の場面です。前回の教材は必要な箇所を思い出すために使い、説明に時間を使い切らないようにします。仕事の進め方を練習することと、会社に判断を求めることを分けて持ち帰ります。

研修全体の効果を測る方法は、研修の効果測定の方法を参照してください。

仕事の場面を持ち寄る理由

最初の研修で練習したことは同じでも、受講者が担当する仕事や相談できる範囲はそれぞれ違います。進んだ例と止まった例を具体的に扱えば、次の仕事で使える工夫と、上司や会社の判断が必要なことを分けて考えられます。

たとえば、接客の研修を受けた人が「受付で要望を聞いたが、案内先に迷った」と持ち寄れば、次にどこへ相談するかを話し合えます。接客の機会がなかった人も参加し、次に機会を作る方法を考えます。

フォローアップ研修を進める4つの段階

  1. 扱う場面を決める。 前回の研修で職場に持ち帰ったことを見て、受講者がそれぞれの仕事に引き寄せて話せる題材を選びます。
  2. 持ち寄るものを知らせる。 試した仕事、そのとき起きたこと、次に相談したいことを短く整理してもらいます。試す機会がなかった場合の書き方も添えます。
  3. 当日、場面を整理する。 受講者が話し、周囲は状況を尋ねます。進行役は、本人が次に工夫できることと、職場に相談することを分けます。
  4. 次の仕事につなぐ。 受講者が試すことと相談先を決め、上司に伝える内容を整理します。会社が決める課題は担当者に渡します。

日程は仕事の機会に合わせて決めます。一例として、前回の研修から1〜3か月の間に1回、休憩を除いて90分の回を設けます。その間に対象の仕事がほとんどない場合は、実際の予定に合わせて日を選びます。

持ち寄るものと当日の進行

持ち寄る場面の選び方

案内には、前回扱った内容のうち、職場で試したことを一つ書いてもらうと伝えます。大きな成果や完成した資料は求めず、短いメモで足ります。何をしようとしたか、実際に何が起きたか、次に考えたいことが分かれば、話し合いの材料になります。

どの場面を持ち寄り、何を話すかは受講者本人が決めます。進行役はメモを事前に読み、当日の進め方を準備します。

試せなかった人には、機会がなかったのか、準備や相談が必要だったのかを、分かる範囲で書いてもらいます。まだ言葉にしにくければ、当日に進行役と一緒に整理しても構いません。予定と実際に任された仕事が変わった場合は、今の仕事に近い場面を選び直してもらいます。

記入例

次の表は、接客・製造・営業の仕事を題材にした架空の記入例です。受講者は「起きたこと」までを持ち寄り、「次の仕事」は当日の話し合いで決めます。

持ち寄る場面 しようとしたこと 起きたこと 当日考えること 次の仕事・相談先
来客の受付 要望を聞いて担当窓口へ案内する 案内先が分からず、来客を待たせた 迷ったときに誰へ尋ねるか 窓口一覧を見直し、分からない場合の相談先を上司と決める
製造現場で新しい段取り替えの手順を試す予定だった 段取り替えの順序を見直す 担当する予定が変わり、試す機会がなかった 次の機会に何を用意するか 上司に担当予定を聞き、手順を一緒に見直す日を決める
営業先への提案を準備した 相手の課題に合わせて提案内容を選ぶ 提供できる範囲が決まらず、提案を進められなかった 本人が整理することと会社の判断をどう分けるか 相手の要望を整理し、提供範囲を上司に相談する

表の最後の行のように、本人が工夫するだけでは動かせないこともあります。その場合は、次の行動を「もっと頑張る」と書かず、誰に何を相談するかまで具体にします。

当日の時間配分

進行役は、最初の研修の講師に頼むと前回とつなげやすく、社内で選ぶ場合は受講者の仕事を評価しない立場の人が務めます。

先ほどの90分の一例では、最初の10分で前回の内容と今日の目的を共有し、次の20分で各自が持ち寄った場面を説明します。続く35分は、止まった場面を選んで、状況を尋ね、別の進め方を考えます。残りの25分で、次に試す仕事と上司に相談することを書き、互いに伝えて終えます。90分で全員の場面を扱う人数は、各自の説明に20分を取る場合、1人5分として4人までが目安です。受講者が8〜12人で進行役が1人の場合は、各自の説明を4人ほどの組で進行役なしに行い、続く35分は全体で2〜3人の場面だけを扱います。扱えなかった場面は、メモを上司との15分で使います。

進行役は、最初に話す順番と時間を伝えます。場面を聞くときは「何がありましたか」「次に同じ仕事をするとしたら、何を変えますか」と尋ね、事情が分からないまま助言を急がないようにします。別の受講者の提案をそのまま採用するかは、仕事の条件を知る本人が考えます。

前回学んだ内容を思い出せないときは、該当する教材を開いて必要な部分を一緒に見ます。話し合いが抽象的になったら、次に予定されている仕事を尋ね、その仕事のどの場面をどう進めるかに戻します。複数の課題が出た場合は、その場で進められるものを選び、残りは担当者と相談先を決めて持ち帰ります。

上司と担当者の関わり方

人事を兼務する会社では、部門長が受講者への案内と仕事の予定の調整を担い、社長が部署をまたぐ調整や権限が必要な課題を引き受けます。

上司が開催前に見るのは、取引先や社外秘の情報の扱いと仕事の予定です。試す機会がなければ、本人に予定の有無を尋ね、担当できる仕事や別の練習方法を考えます。受講者に準備を任せきりにせず、参加と準備の時間を業務の予定に入れます。上司が使う時間は、開催前と研修後に各15分ほどが目安です。

研修後は、本人が上司に「次に試すこと」と「上司に判断してほしいこと」を伝えます。上司は、自分が決められる仕事の割り振りや相談の受け方を決め、他部署との調整が必要なら担当者につなぎます。たとえば営業の提案の例では、本人が相手の要望を整理し、上司が提供できる範囲を判断します。決定を受講者に返し、次の仕事を進められる状態にします。

進行役や人事担当者は、研修の場で出た会社への依頼を、本人が共有に同意した範囲で担当者に渡します。上司が参加できないときも、本人からの引き継ぎを受ける時間を設けます。研修の会場で出した案と、職場で実際に決まった対応が違う場合は、その理由を本人に伝えます。

実施するときの注意点

話し合いに出す事例は、個人や取引先を特定できる情報を外し、話した内容の共有範囲を先に伝えます。会社は話したくない経験の開示を求めず、本人が選んだ範囲で参加できるようにします。

試せなかったことを本人の評価に結びつける場にせず、仕事の機会、時間、権限、相談先も含めて次の進め方を考えます。参加者どうしで助言するときも、それぞれの仕事の条件が違うことを踏まえ、実行できるかを本人と上司が話し合います。

まとめ

フォローアップ研修では、前回の内容を職場でどう使ったかを具体的な場面で持ち寄り、止まったところを次の仕事につなげます。試す機会がなかった場合も、その事情を材料にして構いません。

開催前に持ち寄る内容を知らせ、当日は状況の整理から次の仕事まで進めます。本人が試すことと会社が判断することを分け、上司が引き継ぐところまで予定に入れましょう。

フォローアップ研修で扱いたい仕事や、受講者が職場で試したことを伺い、どこから始めるか、研修で何を扱うかの見立てをお返しします。お問い合わせはオンラインで受け付けます。

出典

  1. 支える主張相談の案内先。

    お問い合わせ株式会社Mario Rossi・参照 2026-11-03